褒められた瞬間に「いやいや、そんなことないです」って言う男、めちゃくちゃ多い。
照れてるのは分かる。謙遜してるつもりなのも分かる。でもその一言で、相手が感じてた好意が半分くらい消える。褒めた側からすると「否定された」感覚になるから。せっかく距離を縮めようとしてくれた言葉を、こっちが蹴飛ばしてる状態。実際の会話では、褒められた時の返しで印象が全部変わる場面が何度もある。
褒められた時に「いやいや」と言ってはいけない理由
相手の好意を否定してる
女性が褒める時、何かを感じてそれを言葉にしてくれてる。仕事ができそうとか、センスがいいとか、話が面白いとか。それを「いやいや全然」って返すのは、あなたの感じ方は間違ってますよ、と言ってるのと同じ構造になってしまう。
褒めた側は「あ、違ったのかな」と感じる。次に褒めようとした時に、また否定されるかもしれないという無意識のブレーキがかかる。褒めにくい人、という印象になっていく。
路上で声をかけた女性と話してた時、こっちが何か言うと「いやそれすごいですよ!」って言ってくれることがある。そこで「え、全然ですよ」と返すのか、「ありがとうございます、でも実は〇〇で」と返すのかで、その後の会話の温度が全然違った。受け取れる人のそばにいると、相手はどんどん出しやすくなる。
謙遜が「構ってくれ」に見える
日本の文化として謙遜は美徳なんだけど、恋愛的な文脈では逆効果になりやすい。
いやいや全然、って言った後に「でも実はこういうところが大変で…」と続く人がいる。これ、褒めを足がかりにして自分語りに持っていくパターン。無意識にやってる人が多い。でも相手からすると「褒めたら長い話になった」となる。次から褒めなくなる。
謙遜しながら自分語りに入るのが一番もったいない返し方。
照れを隠す方向が間違ってる
照れること自体は悪くない。むしろ褒められて照れてる人って、かわいく見える場面がある。
問題は、照れを否定で隠そうとすること。否定じゃなくて、照れてることをそのまま出す方がずっと自然だし、印象もいい。
褒められた時の返しパターン
素直に受け取る
一番シンプルで、一番できてない。
「ありがとうございます」だけでいい。それ以上でもそれ以下でもない。この一言を照れずに言える人って、思ってるより少ない。
ただ「ありがとうございます」で終わると少しそっけないから、もう一言足す。「ありがとうございます、そう言ってもらえると素直に嬉しいです」とか「ありがとうございます、なんか照れますね」とか。受け取った上で、自分の感情を一個乗せる。
連絡先を交換した女性と後日ご飯に行った時、「なんか落ち着く雰囲気ありますよね」って言われた。以前の自分なら「いやそんなことないですよ」と返してた。その時は「ありがとうございます、それ言われると正直めちゃくちゃ嬉しい」って言ってみた。相手が「え、素直!」って笑って、その後の会話が急に緩んだ。受け取るだけで場が変わった体験だった。
逆に質問を返す
受け取った上で、相手に話を振る。
「ありがとうございます、なんでそう思ったんですか?」「ありがとうございます、どのあたりでそう感じました?」みたいに。
これの何がいいかというと、相手が褒めた理由を言葉にしてくれる。言葉にする作業って、その感情を強化する。なぜそう思ったかを説明してると、改めてそう思えてくる。褒めた側の好意を、返しの一言で倍にできる。
しかも会話が続く。褒めって、返し方次第で会話のきっかけになる。そのまま流すのはもったいない。
照れをそのまま出す
「なんか照れますね、ありがとうございます」「言われ慣れてないんで、どう返せばいいか分からないですけど、嬉しいです」。
照れを出すのって、隙を見せることと同じ。隙がある人って、親近感が出る。完璧な返しをしようとしてる人より、照れてる人の方が人間らしく見える。
スカウト時代に一番うまかった先輩が、褒められた時に照れ方がうまかった。クールな人だったんだけど、褒められると耳が少し赤くなって「やめてください(笑)」ってぼそっと言う。その「やめてください」が絶妙で、全然やめてほしくなさそうな言い方だった。女性陣が「かわいい」ってなってた。照れを否定に変換しない、っていう技術を体が知ってた。
ユーモアで返す
これ難易度が高いから、できる人だけでいい。
「そんな褒め方したら本気になっちゃいますよ」「やめてください、調子に乗るんで(笑)」みたいな。笑いを一個乗せながら、でも褒めを受け取ってる。
ポイントは、笑いを入れながらも否定にならないこと。「調子に乗る」は「嬉しい」と同義で使ってる。褒めを完全に否定する笑いにしてしまうと、相手が「冗談のつもりで言ったのかな」と受け取ってしまう。
場の空気が温まってる時、相手がノリのいいタイプの時に使う。まだ会って間もない時や、空気が少し固い時には使わない方がいい。
状況別、具体的な返し方
外見を褒められた時
「かっこいいですね」「おしゃれですね」「雰囲気いいですね」。
外見褒めは、謙遜しやすい場面の筆頭。でもここでいやいやと返すのが一番もったいない。
「ありがとうございます、今日気合い入れてきたんで、気づいてもらえてよかった」みたいに、選んだ理由や背景を一個添えると自然になる。気合い入れてきた、という情報が入ることで、今日のデートや会う機会を大事にしてた、というサインになる。
「ありがとうございます、実は今日これ買ったばかりで」みたいに、エピソードを一個足すのも使いやすい。会話のきっかけになる。
センスや仕事を褒められた時
「仕事できそうですね」「センスいいですね」「話し方落ち着いてますね」。
これ、外見褒めより難しい。能力を褒められてる分、謙遜したくなる気持ちが出やすい。
でも「全然そんなことないですよ」は特にここで使っちゃいけない。相手の観察眼を否定してることになる。
「ありがとうございます、〇〇を意識してたんで、そう見えたなら嬉しいです」がいい。意識してた部分を伝えることで、謙遜でも自慢でもない、ちょうどいい受け取り方になる。
例えば「話し方落ち着いてますね」って言われたら、「ありがとうございます、話すの苦手だったんで、意識して直してたんですよね」みたいに。過去の努力を一個挟むと、相手の言葉がより嬉しかった感が伝わる。
意外な褒めをされた時
「意外と話しやすい」「思ってたより面白い」「見た目と違って優しいですね」みたいな、意外性を含む褒め。
これ、受け取り方を間違えやすい。思ってたより、という言葉に引っかかって「最初印象悪かったってこと?」みたいなツッコミを入れる人がいる。笑いを狙ってる場合もあるんだけど、空振ると場が冷める。
素直に受け取る方が正解。「ありがとうございます、最初どう思われてたか気になりますけど(笑)」くらいの軽いツッコミを添えるくらいがちょうどいい。笑いに転がしながらも、褒め自体は受け取ってる状態。
連続して褒められた時
話してる中でいくつも褒めてくれる人がいる。
そのたびに「ありがとうございます」を繰り返すと、だんだんロボットみたいになる。3回目くらいから「なんか褒めすぎてない?(笑)」みたいに一回ツッコんでもいい。
「そんなに褒めてくれると照れますよ」「今日の〇〇さん、褒め上手ですね」みたいに、褒めてる相手にフォーカスを移す返しも使える。こっちが受け取り続けるだけじゃなくて、相手の行動に気づいてるよ、というサインになる。
やってはいけない返しのパターン
「〇〇さんの方こそ」で返す
褒められた瞬間に「〇〇さんこそ、すごくお綺麗じゃないですか」と返す人がいる。
気持ちは分かる。褒め返したい、という気持ちはいい。でもタイミングがズレてる。相手がこちらに向けてくれた言葉を受け取らないまま、即座に返すのは「はい受け取りません、代わりにどうぞ」と言ってるみたいになる。
返したいなら、一回受け取ってから。「ありがとうございます、〇〇さんも今日すごく素敵ですよね」みたいに、順番を守る。
過剰に感謝する
「え、本当ですか!そんなこと言ってもらえるとは思ってなかったんで、すごく嬉しいです!ありがとうございます!」みたいに、テンションが急上昇する人がいる。
喜んでるのは伝わる。でも過剰だと、褒めることへのプレッシャーを相手に感じさせる。次に褒めたら、また大騒ぎになるかも、という予感が生まれて、褒めにくくなる。
嬉しいのは出していい。でも一段落ち着けて出す。「嬉しいです、ありがとうございます」くらいの温度感で十分伝わる。
自虐に走る
「いやいや全然、むしろ〇〇なところとか最悪なんですよ」みたいに、自虐で笑いを取ろうとするパターン。
笑いは起きるかもしれない。でも相手の褒めた言葉が宙ぶらりんになる。受け取ってもらえなかった感が残る。しかも自虐が強すぎると、否定してほしくて言ってるのかな、という読まれ方をする場合がある。
自虐は、ある程度打ち解けた関係でならキャラとして成立する。でも褒めへの返しとしては、使い所が難しい。
スカウト時代に見た「褒められた時の返し方が上手い人」
スカウト会社にいた頃、同僚に女性から異常に好かれてた男がいた。特別イケメンじゃない。喋りが飛び抜けてうまいわけでもない。でも女性が「かっこいい」「話しやすい」って言い続けてた。
観察してたら、褒められた時の返し方が違った。
褒められると、一回ちゃんと止まる。0.5秒くらい。その後「ありがとうございます、なんか照れますね」ってぼそっと言う。それだけ。特別な言葉を使ってない。でも受け取ってる感がはっきり出てた。
あの人から学んだのが、褒められた時に急いで返さなくていい、ってこと。一回止まって、受け取って、それから言葉を出す。その一拍が、ちゃんと届いてますよ、のサインになってた。
急いで返す人って、処理してる感が出る。処理されてる感じがする褒めって、言った側が損した気持ちになるもんだよ。

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