女性から悩み相談をされた時、男性がやりがちな最悪のパターンがある。
「それはこうすればいいと思うよ」「その人が悪いんじゃない?」「じゃあこうしたら?」
善意100%で言ってる。でも言った瞬間に、相手の顔がすっと変わる。さっきまで話してたのに、急に「ま、いっか」ってフタをしてしまう。え、なんで?ってなる。
これ、スカウト時代に何度も目の当たりにした光景。連絡先を交換した女性と後日会って、話してる最中に相手が悩みを打ち明けてきた。横にいた先輩がすかさずアドバイスを出した。温かくて的確なアドバイスだったと思う。でも女性の顔が曇った。「そうですよね、ありがとうございます」って言いながら、明らかに話すのをやめた。
あの瞬間の先輩の表情、あ、やっちゃったって顔をしてた。
なぜ女性は悩みの答えを求めていないのか
答えが欲しいなら、最初から相談なんてしない
これ、言われてみれば当たり前の話なんだよ。
解決策が欲しい時、人はどうするか。ネットで調べる。専門家に聞く。信頼できる経験者に連絡する。「あなたに相談する」という行動を取るのは、解決策を求めてるからじゃない。
じゃあ何のために相談するのか。
吐き出したいから。受け取ってもらいたいから。自分の気持ちを誰かに確認してもらいたいから。話しながら自分で整理したいから。この四つのどれかか、全部が混ざってる。
スカウト時代に一番印象に残ってる体験がある。声をかけた女性と連絡先を交換して、3回目に会った夜。その子が仕事のことで相当しんどそうだった。話を聞いてたら「もう辞めようかと思ってて」って言い出した。
自分は何も言わなかった。「そっか」って一言だけ返して、続きを待った。
その子、30分くらい一人で話し続けた。仕事がしんどい理由、上司への不満、自分が本当はどうしたいか。全部自分で話してた。最後に「なんかすっきりした、ありがとう」って言った。
何もしてない。ただいた。それだけ。
答えを出すことは「否定」に近い感覚がある
女性が悩みを話してる時、その悩みの中にいる。
悩んでる最中って、頭の中がぐるぐるしてる状態。そこに「答え」を出されると、「お前の悩みはそんなに簡単に解決できるものだ」って言われてる感覚になりやすい。
悩んでる気持ち、しんどかった体験、積み重なってきた感情。それを全部すっ飛ばして「じゃあこうすれば?」って言われた瞬間、受け取ってもらえなかった、ってなる。
受け取ってもらえなかった体験って、相談した相手への信頼をじわじわ削る。削られた信頼は、また何かある時に「この人には話さなくていいや」という判断につながる。
「話す」という行為自体が目的になってる
ちょっと哲学的な話になるんだけど。
人って、考えを言語化することで自分の感情を理解する。頭の中にある漠然としたもやもやを、言葉に変える作業。それをするためには、聞いてくれる人が必要なだけ。
答えを必要としてるんじゃなくて、言語化する場所を必要としてる。その場所として選ばれた時、一番やってはいけないのが途中で話を遮って答えを出すこと。言語化の作業を邪魔してる。
スカウト時代の話に戻ると、うまく聞けてた時って、相手が話してる途中に一切遮らなかった時と重なってる。遮らずに最後まで聞く。それだけで「この人に話してよかった」ってなった。
答えを求めない聞き方の具体的な方法
相槌だけで30分持つ技術
大げさに聞こえるかもしれないけど、本当の話。
「そっか」「それはしんどいね」「なんかきつかったね」「そういうことがあったんだ」。これだけで会話は続く。相槌って前の記事でも書いたけど、感情が乗ってるかどうかが全て。棒読みで「そうなんですね」を繰り返しても、受け取ってる感が出ない。
感情を乗せた相槌って、声のトーンが話の内容に合わせて変わる。しんどい話をしてる時には声が少し落ちる。腹が立った話には「それ、ひどいな」って少し熱が入る。驚く話には「え、まじで?」って前のめりになる。
言葉の種類より、その言葉に乗ってる感情の方が相手に届く。
「それで?」の一言で話を引き出す
相手が何か話してくれた後、「それで?」って続きを促す。
これ、シンプルすぎて効果があると思えないんだけど、実際かなり使える。「それで?」って聞くと、相手は続きを話していいんだと思う。話を切られる不安がなくなる。不安がなくなると、もっと深いところまで話してくれる。
「もう少し聞かせてもらえる?」「その時どんな感じだったの?」も同じ機能を持ってる。続きを聞きたい、という意志を示す言葉。答えを出そうとしてない、まだ聞いてる状態にいる、というサインになる。
先輩が、この「それで?」を本当によく使ってた。女性が話してる最中に、絶妙なタイミングで「それで?」って入れる。その一言で相手がさらに話し出す。先輩はほとんど喋ってないのに、会話が30分続いてることがあった。
感情に名前をつけて返す
相手が話してることの感情を、言葉にして返す。
「それはしんどかったね」「悔しかったんじゃないの?」「なんか、怖かったよね、その時」みたいに。相手が直接言ってなくても、話の内容から感じ取れる感情を言語化してあげる。
これをやると、相手は「この人、ちゃんと受け取ってくれてる」ってなる。感情を代わりに言語化してもらえると、「そうそう、そういう感じ!」ってなって、どんどん話したくなる。
ただし外した時の気まずさがある。「悔しかったんじゃない?」って言ったら「いや、悔しいというより怒りかな」みたいに返ってくることがある。外れてもいい。むしろ外れた時に相手が「違うんだよ、もっとこういう感じで」って教えてくれて、そこから深い話になることも多い。
アドバイスを「聞いてから」出す
全くアドバイスをするなとは言わない。でも順番がある。
まず全部聞く。途中で遮らない。相手の話が一段落ついて、沈黙が来た後。「一個だけ聞いてもいい?アドバイスほしい感じ、それともただ聞いてほしい感じ、どっちかな」って確認する。
これ、最初は恥ずかしい感じがするかもしれない。でもこれを聞ける人って、相手からすると「この人、ちゃんと分かってる」ってなる。確認してから動ける人って少ないから、それだけで信頼される。
ほしいって言ってからアドバイスを出すと、全然受け取り方が違う。求めてる状態で受け取るアドバイスは、求めてない状態で受け取るアドバイスの10倍刺さる。
答えを出してしまう男性の心理
「解決してあげたい」という善意が邪魔をしてる
悩みを聞いて答えを出そうとする男性って、基本的に優しい人が多い。
しんどそうにしてる相手を見てると、なんとかしてあげたくなる。その気持ち、間違ってない。でも「なんとかしてあげたい」が「解決策を出す」に直結してしまう。
解決策を出すことと、なんとかしてあげることは別の話。相手が本当に求めてるなんとかは、解決じゃなくて受け取ってもらえる体験だったりする。その違いに気づかないまま解決しようとする。
スカウトで後輩がよくやらかしてた。声をかけた女性が話を始めると、すぐアドバイスを出す。的外れじゃない。でも相手の話が続かなくなる。後輩に「なんで解決策出したの」って聞くと「困ってそうだったから」って言う。困ってる人を助けようとした。でも助け方が違った。
沈黙が怖くて埋めようとしてる
相手が話してる最中に沈黙が来た時、男性は焦って何かを言おうとする。
その時に出てくる言葉が「じゃあこうしたら?」だったりする。沈黙への恐怖がアドバイスを産んでる。本当はアドバイスを出したいわけじゃなくて、沈黙を埋めたかっただけ。でも相手からすると、アドバイスを出された、という体験になる。
沈黙が来た時、一回だけ深呼吸して待つ。相手が続きを話し始めるか、本当に終わったかを確認してから動く。この待つという選択肢を持っておくだけで、無駄なアドバイスを出す回数が減る。
「何もしない」ことへの居心地の悪さ
何もしないで聞いてるだけって、なんか役に立ててない感じがする。特に男性は「役に立つ」ことへの欲求が強い傾向があって、聞いてるだけじゃ不十分だという感覚が出やすい。
でも聞いてるだけで十分、というより聞いてるだけが正解の場面がある。「何もしない」ことが最大の行動になってる状態。これを体で理解するのに、スカウト時代も結構かかった。
路上で声をかけた女性が急に泣き始めたことがある。びっくりして何か言わなきゃと思った。でも声が出なかった。ただ隣に立ってた。泣き止んだ後に「ありがとう、なんかすっきりした」って言われた。何もしてない。ただいた。それだけで十分だった。
やってはいけないパターン、具体的に
「でも〇〇じゃない?」という反論
相手が悩みを話してる最中に「でもさ、それって相手の立場から見たら〇〇じゃない?」みたいな、反論を入れる人がいる。
客観的に見ればそうかもしれない。正論かもしれない。でも悩んでる最中の人に正論を投げると、気持ちを否定された感覚になる。「私の気持ちは正論で片付けられるものなの?」ってなる。
反論は相手が求めてきた時だけ。求めてきてないのに出すと、信頼を失う。
「それ大丈夫だよ」と根拠なく励ます
不安を話してる相手に「大丈夫だよ」って言う人、よくいる。
これ、言ってる側は励ましてる。でも受け取った側は「この人、ちゃんと聞いてないな」ってなることが多い。なぜ大丈夫なのか、根拠がない。根拠がない言葉は軽い。軽い言葉で受け取られた悩みは、重く感じてる本人からすると「分かってもらえなかった」になる。
大丈夫、という言葉は悩みを軽くしようとしてる。でも相手は悩みを軽くしてほしいんじゃなくて、重さをそのまま受け取ってほしい。そのままの重さで「それはしんどいね」って言ってもらいたい。
「俺もそういう時あったけど、その時は〇〇したよ」
相手の悩みを聞いてたのに、いつの間にか自分の話になってる。
共感のつもりで言ってる。俺も同じ経験があるから分かるよ、というメッセージを込めてる。でも話の主役が相手から自分に移った瞬間、相手は「あ、聞いてもらってたわけじゃなかったんだ」ってなる。
自分の経験を出すなら、相手の話が全部出た後。しかも「俺の話になっちゃうんだけど」って断ってから。断らずに入ると、奪ってる感が出る。
「早く元気になってね」と締める
話の最後に「早く元気になってね」ってまとめる人がいる。
これ、早く解決してほしいという自分の気持ちが出てる。でも相手にとっては「早く立ち直れ」というプレッシャーに聞こえることがある。しんどい状態でいることを許してもらえてない感覚。
締める言葉として使えるのは、「話してくれてよかった」「聞かせてくれてありがとう」あたり。相手が話したことへの感謝を伝える方向。早く解決してほしいじゃなくて、話してくれたこと自体を受け取った、というメッセージ。
スカウトをやめてから気づいたこと
悩みを聞くのって、かなりしんどい作業。
路上では短い時間で終わる。でも彼女とか家族とか、近い人間の悩みを長期間聞き続けるのは、消耗する。だから「早く解決してあげたい」という気持ちが出やすい。解決したら終わるから。
でもその消耗を相手に悟られないように聞けてる人が、長く信頼される人だと思ってる。消耗してるのを隠して聞け、とかそういう話じゃなくて。消耗する前に自分の気持ちを誰かに話す場所を持っておく。そうしないと、人の悩みを受け取り続けることはできない。
聞き続けられる人間でいるために、自分も誰かに吐き出せる場所を持っておくこと。これ、悩み相談の聞き方より先に必要なことかもしれない。
答えを求めない聞き方って、技術の話に見えて、自分の状態の話でもある。余裕がある時は自然にできる。余裕がなくなった時に、早く終わらせたくて答えを出してしまう。余裕を保ててるかどうかはぜひ意識しててほしい。

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