負けず嫌いな女性の心理|可愛くないと言われる本音

ダーツで俺が勝った瞬間、彼女の眉が一ミリ動いた。

笑ってる。声も普通。ただ、次の一投で矢を握る指の色が変わってた。白い。力の入りすぎ。

そこから彼女は三十分黙って投げ続けた。

目次

面倒くさいと感じてるのは、何に対してか

負けず嫌いな女性

男側。付き合ってる相手や気になってる人が、勝ちにこだわる。張り合ってくる。どう接すればいいのかわからない。

女性本人。可愛げがないと言われた。負けず嫌いって欠点なの?直したほうがいいの?

どっちにも必要なのは、性格診断みたいな分類じゃない。なんでその人が勝ち負けにこだわるのか、根っこの話。そこがわかると扱い方も変わるし、自分を責める必要もなくなる。

先に一つ。負けず嫌いは、勝ちたい気持ちじゃない。負けたときに自分の価値が減る、と思ってる状態のこと。これがわかると全部つながる。

勝ちたい人と、負けたくない人は別物

同じように見えて、動いてるものが逆。

勝ちたい人は、勝った瞬間に満足して終わる。上に行くのが目的だから、達成したらそこで手を止める。

負けたくない人は、勝っても安心しない。次に落ちる可能性が消えないから。だから続ける。

女性の負けず嫌いは、後ろのタイプが多い印象がある。俺が街で会ってきた範囲だと、七割はそう。勝利を取りに行ってるんじゃなく、落下を防いでる。

守ってる人に、勝ち負けの話でぶつかっても意味がない。土俵が違うんだから。

夜の街で、勝ち負けの真ん中にいた

順位が全部数字で貼り出される場所

俺は五年スカウトをやってた。関わってた店では、売上の順位が毎月出る。全員が見る。名前と数字が並んでる紙が壁にある。

あの環境にいると、人の負けず嫌いが剥き出しになる。隠せない。

そこで見たのは、負けず嫌いな子ほど成績が伸びるという単純な話じゃなかった。伸びる子と、壊れる子に割れた。

分かれ目は、比べてる相手が誰かだった。

他人と比べてる子は、順位が上がっても不安が消えない。上に行くほど、落ちる高さが上がるから。数字を見る目つきが日に日に鋭くなって、そのうち笑わなくなる。

先月の自分と比べてる子は、順位に一喜一憂しない。淡々と続ける。長く続いたのはこっちだった。

同じ負けず嫌いでも、比較対象がどこを向いてるかで結末が変わる。

誰も見てないところで練習してる

もう一つ、はっきり見えたこと。

負けず嫌いな女性は、努力を隠す。

トークの練習を家でやってる。営業の言い回しをノートに書いてる。それを誰にも言わない。聞いても、別に何もしてないと返ってくる。

なんで隠すか。頑張って負けたら、逃げ場がなくなるから。何もしてないのに勝った、という状態がいちばん安全なんだよ。だから努力を見せない。

これ、恋愛でも同じ動きが出る。好きな相手に対して、頑張ってると思われたくない。だから素っ気なくする。自分から誘わない。

素っ気なさを冷たさと読むと、たぶん外す。

恋愛の場面で、これがどう出るか

好きな相手に強く出てしまう

負けず嫌いな人は、好意を渡す行為を負けだと感じる場面がある。

先に好きになった、先に連絡した、先に会いたいと言った。全部が譲歩に見える。だから我慢する。我慢して、素っ気なくして、相手が離れていく。

離れたあとで後悔する。この繰り返し。

俺が見てきた中で、いちばんもったいなかったパターン。好意を出さないことが、意地じゃなく防御だと本人も気づいてないんだよ。

張り合ってくる相手に、正面から勝ちにいくと詰む

男側の対処の話。

彼女が張り合ってくるとき。仕事の話でも、ゲームでも、知識でも。ここで本気で勝ちにいくと、その場は勝てる。関係は減る。

かといって、わざと負けるのも見抜かれる。手加減はバレる。バレると馬鹿にされたと受け取られて、もっと厄介になる。

俺がたどり着いたのは、勝負をずらすこと。同じ土俵で優劣をつけない。相手が強い分野は素直に負けを認めて、自分の分野には引き込まない。

勝ち負けの話題を減らすだけで、驚くほど穏やかになる人がいる。戦う相手がいなくなるから。

褒め方を間違えると火がつく

これ、意外と知られてない。

負けず嫌いな女性に、すごいね、と言うのは効かない。場合によっては刺さる。

なんでかというと、評価される側に置かれるから。上から採点された形になる。防御が発動する。

効くのは、感想のほう。それ真似したい、とか、俺だったら途中でやめてる、みたいな。自分を主語にして返す。

上下を作らずに認める。ここができる男は、負けず嫌いな女性と長く続く。

ダーツの夜と、後輩の話

勝った俺が、その日いちばん損した

俺はあの日、三ゲーム連続で勝った。手加減もせず、普通に。

彼女は最後まで笑ってた。帰り道も普通に話した。

でも次に誘ったとき、返事が来るのが三日後だった。その次は一週間。

しばらくして共通の知人から聞いた。あの人、余裕ある感じ出してくるのが嫌だった、って言ってたらしい。

いや、余裕なんて出してないんだよ。ただ普通に投げてただけ。

……でも今ならわかる。俺が笑いながら勝ったのが問題だった。彼女にとってあの三十分は、自分の価値が削られてる時間だった。俺は遊んでたつもりで、相手は防戦だった。

同じテーブルにいて、見てるものが全然違ってた。首の後ろがざらっとしたよ、あとで気づいたとき。

負けを先に見せた後輩

同じ頃、うまくやってる後輩がいた。

そいつが好きになった子が、かなり張り合うタイプだった。仕事の話をすると必ず上を取りに来る。

そいつがやったのは、自分の失敗談を先に出すこと。しかも笑い話にせず、割と本気で落ち込んだ話を。

相手が急に優しくなったらしい。今まで一度も見せなかった顔で、大丈夫だよ、みたいなことを言ってきたと。

負けず嫌いな人は、勝負が終わってる相手には牙を出さない。むしろ面倒見がいい。戦う理由がなくなると、素の性格が出てくる。

先に弱さを置く。それだけで土俵が消える。あいつは頭で考えたんじゃなく、たまたま落ち込んでただけらしいけどね。結果的に正解を引いた。

女性本人へ

可愛げがない、と言われて調べた人へ。

直す必要はないと思ってる。負けたくない気持ちは、その人を長い時間支えてきたものだから。急に外したら立てなくなる。

ただ一つだけ。比べる相手を人にしてると、たぶんしんどい。それは終わりがない。上には常に誰かいるし、勝ち続けても不安は減らない。

先月の自分に置き換えると、同じ気質のまま消耗が減る。俺が現場で長く続いた子たちは、みんなそこに移行してた。

あと、好意を出すのは負けじゃない。先に言ったほうが不利、みたいな計算をしてるうちに、相手はいなくなる。これは俺自身が何度も食らったから、はっきり書いておく。

負けず嫌いのまま、素直でいられる。両立するよ、それは。

扱う側が、最後に持っておくこと

強く見える人ほど、内側の余裕は少ない。

張り合ってくるのは自信の表れじゃなく、崩れたくないという必死さのほうが近い。そう思って見ると、態度の理由がだいたい説明つく。

負かさない。褒めすぎない。上下を作らない。

三つ守れば、あの緊張は勝手にほどける。ほどけたときに出てくる顔が、たぶんその人の本当のところ。

あの夜、白くなってた彼女の指。あれを見た瞬間に矢を置いてれば、違う話になってたかもしれないな。ま、今さらだけど。

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