深い話がしたいのに、いつも表面で終わる。天気の話、仕事の話、最近どうですかの話。これを繰り返してるうちに時間が来て、また今度ねで終わる。何度会っても距離が縮まってる感じがしない。深い話ができる関係になりたいのに、どうしたらそこに行けるのか分からない。
スカウトでは初対面の人と15分以内に深い話ができるかどうかが仕事の成否を左右してた。表面的な会話だけで終わると連絡先はもらえない。でも深い話に移れた時は、会話が止まらなくなった。深い話って、切り出す技術より先に、切り出せる状態を作ることの方が大事。でも状態が整った時にどう動くかも知っておく必要がある。
深い話が始まらない本当の理由
場が温まってないのに踏み込もうとしてる
深い話を引き出したくて、最初から踏み込んでいく人がいる。
「将来どうしたいですか?」「今の仕事、本当に好きですか?」「人生で一番辛かったことって何ですか?」みたいな。これ、初対面や関係が浅い段階でやると、相手が引く。
深い話って、場の温度が高い状態じゃないと出てこない。温度が低いうちに深い話を求めると、それ自体が圧になる。
場の温度を上げる作業なしに深い話を求めることが、一番多い失敗。
深い話を「特別なもの」として扱いすぎてる
深い話をしなきゃ、という義務感で臨むと、深い話になりにくい。
なんか気合いが入って、ここで深い話をします、みたいな雰囲気が出てしまう。その雰囲気を感じ取った相手は、身構える。身構えた状態では深い話は出てこない。
深い話って、自然な会話の流れの延長線上にあるもの。切り出すというより、流れに乗っていったら気づいたら深い話になってた、というのが理想の形。
自分が先に深い話をしてない
深い話を引き出そうとしてる人が、自分は表面にいたままというパターン。
自己開示の返報性、何度か書いてきたけど、こっちが深い話をしないのに相手だけに深い話を求めるのは、一方的な要求になってしまう。相手にとっては、情報だけ取られてる感じになることがある。
こっちが先に踏み込む。先に踏み込んだ分だけ、相手も踏み込んでくれやすくなる。
深い話が生まれやすい状態の作り方
表面の話をちゃんと積み重ねる
表面の話って、深い話への道みたいなもの。
天気の話、仕事の話、最近あったことの話。これらを丁寧に積み重ねてると、ある時点でそこを突き抜ける瞬間が来る。表面の話をちゃんとやってきたから、次のレイヤーに行ける。
表面の話を「まだここなのか」と思って雑に扱う人がいるけど、それが深い話への移行を遅らせてる。表面の話を丁寧にやれる人ほど、自然に深い話に移れる。
スカウトで路上に立ってた頃、深い話になった時って、最初の10分の表面的な会話がちゃんと積み重なってた時と一致してた。ちゃんと積み重なってた、というのは話の量じゃなくて、ちゃんと受け取り合えてた、という感覚。
笑いが起きた後を狙う
笑いが起きた後って、場の空気が一番緩んでる瞬間。
その直後に少しトーンを変えて深い話に移ると、受け取りやすい状態で届く。笑いで温まった空気の中で出てきた深い話は、固い状態で出てきた深い話よりずっと入ってきやすい。
笑いを作ろうとしなくていい。自然に笑いが起きた時に、その余韻の中で少し踏み込んでみる。
相手が少し感情を見せた瞬間を逃さない
会話の中で、相手が少し表情を変えた話題がある。
目が少し輝いた、声のトーンが変わった、話すテンポが上がった、または下がった。その変化が出た話題の周辺に、その人の深い部分がある。
その変化を見逃さずに、そこに向けて一歩踏み込む。「それって、どういうところが好きなんですか?」「その時、どんな感じでしたか?」みたいに。変化が出た話題の深掘りが、自然な深い話への入り口になる。
深い話への切り出し方、具体的な言葉
感情に向けた質問
表面の情報に向けた質問と、感情に向けた質問は全然違う。
「趣味は何ですか?」は情報。「その趣味、ハマった瞬間ってどんな感じでしたか?」は感情。「仕事は何をされてるんですか?」は情報。「仕事してて、なんか手応えを感じる瞬間ってありますか?」は感情。
感情に向けた質問って、答えるためにその人が自分の内側を探す必要がある。内側を探した時に出てきた言葉は、表面の情報より深いところから来てる。この切り替えだけで、会話の深さが変わる。
「なんでそう思ったんですか?」
これ、どんな話題にも使える深掘りの一言。
相手が何かを話してくれた後に「それって、なんでそう思ったんですか?」と聞く。理由を語り始めると、その人の価値観や経験が出てくる。価値観や経験が出てきた時、会話が一段深くなってる。
シンプルすぎて使ってない人が多いけど、これが一番コスパのいい深掘りの言葉だと思ってる。スカウト時代に一番使ってた。
自分の深い部分を先に少し出す
「最近ちょっと考えてたことがあって」「自分の話になるんですけど、こういうことがあって」みたいに、こっちから先に深い話を置いてみる。
全部言い切らない。少しだけ出して、相手の反応を見る。乗ってきたら続ける。乗ってこなかったら引く。この探り方が、自然な深い話の始め方に近い。
先に自分が出した深さより深く返してくれた時は、相手もその話題に乗りたかった証拠。そこから会話が転がっていく。
変化や転機の話から入る
「最近、何か変わったことありましたか?」「前と今で、考え方が変わったこととかありますか?」みたいに。
変化や転機の話って、その人が経験から何を学んだか、が出てきやすい。経験から学んだこととは、その人の深い部分に近い。しかもこの質問、答えやすい。誰でも何かしら変化を経験してるから。
答えやすくて深い話になりやすい、というバランスがいい切り出し方。
「実は」から始まる話を大事にする
相手が「実はね」と言い始めた瞬間を、逃さない。
「実は」って、普段は言わないことをこれから言います、というサイン。そのサインが出た時は、何も邪魔しない。話し終わるまで待つ。途中で被せない。最後まで聞いてから返す。
「実は」の後に出てきた話って、相手がその人のために選んでくれた深い話。それをちゃんと受け取ることが、さらに深い話が続く土台になる。
深い話が続かない時のパターン
こっちだけ深い話をしてしまう
自分だけが深い話をしていて、相手は聞いてる状態になってしまう。
深い話は、お互いが出し合う状態じゃないと続かない。こっちが出したら相手に渡す、相手が出したらこっちが受け取って少し返す。このキャッチボールの形が崩れると、会話が一方通行になる。
こっちが出した後は、相手に渡す。「〇〇さんはどうですか?」みたいに。出しっぱなしにしない。
深い話を受け取ってすぐアドバイスを出す
相手が深い話をしてくれた時に、すぐ解決策や意見を出してしまう人がいる。
深い話を打ち明けてくれた、というのは信頼の行為。その信頼に対して、最初にすべきはアドバイスじゃなくて受け取ること。「そういうことがあったんだね」「それはしんどかったね」みたいに。
受け取った後に、相手が求めてる時だけアドバイスを出す。求めてないのに出すと、話してよかったのか分からなくなってしまう場合がある。
深い話が出てきた後に変な空気にしてしまう
相手が深い話をしてくれた後に、「そうなんですね…(長い沈黙)」みたいに、変に重い空気になってしまうことがある。
深い話を受け取った後の空気って、作り方がある。重くなりすぎない、でも流しすぎない。「そういうことがあったんだね、話してくれてありがとう」という温度感で受け取って、その後を自然に続けていく。
深い話が出た後の扱い方が丁寧だと、相手は話して良かったという記憶として残るよ。

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