面白い男はモテる。それは分かってる。
でも自分には笑いのセンスがない。気の利いた返しができない。冗談を言っても滑る。面白い人を見ると、あれは生まれつきの才能で、自分には無理だと思ってしまう。
スカウトで路上に立ってた頃、ユーモアの力を毎日感じてた。笑いが起きた瞬間に警戒が溶ける、場が温まる、距離が縮まる。笑いは武器だった。でも自分も最初から面白かったわけじゃない。むしろ滑り続けてた側だった。
7年やって分かったのは、ユーモアのセンスは才能じゃなくて、練習すれば鍛えられる、ということ。その鍛え方の話をする。
ユーモアについての誤解
面白い話をすることがユーモアじゃない
ユーモアのセンスと聞くと、面白い話で笑わせる力だと思いがち。
でも実際にモテる男のユーモアって、面白い話をする力じゃないことが多い。会話の中での切り返し、リアクション、場の空気を軽くする一言。話の面白さより、やり取りの中の軽妙さ。
芸人みたいな話術はいらない。日常会話の中に、ちょっとした笑いの瞬間を作れるかどうか。目指すのはそこ。
ウケを狙うほど滑る
笑わせよう、と意気込んだ瞬間に、ユーモアは死ぬ。
狙ってる感が出ると、相手は笑う前に構える。「今から面白いこと言いますよ」という空気が、笑いのハードルを上げる。ハードルが上がった状態で放たれた冗談は、滑りやすい。
ユーモアって、力を抜いた状態から自然に出てきたものの方が、ずっと笑える。狙わないことが、実は一番の技術だったりする。
笑いの種類は一個じゃない
ユーモアと言っても、色んな種類がある。
ボケで笑わせる、ツッコミで笑わせる、自虐で笑わせる、リアクションで笑わせる、間で笑わせる、観察コメントで笑わせる。
自分に合う種類を見つければいい。ボケが苦手でも、ツッコミやリアクションで笑いは作れる。全部できる必要はない。一個、自分の型を持てればいい。
鍛えやすいユーモアの型
リアクションを大きくする
一番簡単で、一番すぐ効果が出るのがこれ。
相手の話への反応を、少しだけ大きくする。「え、マジですか!」「うそでしょ(笑)」「それはひどい(笑)」みたいに。面白いことを言うんじゃなくて、相手の話を面白がる。
リアクションがいい人と話してると、話してる側が楽しくなる。楽しくなると、場に笑いが増える。自分が笑わせてるわけじゃないのに、笑いの多い場が作れる。
スカウト時代、面白いことを言えなかった頃、リアクションだけ意識してた。相手の話に大きめに反応する。それだけで「話してて楽しい人」というポジションが取れた。笑わせる前に、笑う側として場を温める。これが一番の近道だった。
軽いツッコミを入れる
相手の話や状況に、軽くツッコむ。
「いやいや、それはおかしいでしょ(笑)」「待って、話飛びすぎ(笑)」「それ絶対嘘でしょ(笑)」みたいに。ボケを考えるより、ツッコミの方が圧倒的に簡単。相手の話の中に材料があるから、ゼロから作らなくていい。
ポイントは、笑いながら言うこと。真顔のツッコミは攻撃に聞こえることがあるけど、笑いながらのツッコミはじゃれ合いになる。
ツッコミができると、会話にテンポが生まれる。テンポのある会話は、それだけで楽しい空気になる。
自虐を軽く使う
自分の失敗やダメな部分を、笑いに変える。
「この間も道間違えて、30分遅刻しかけました(笑)」「料理したら、なんか黒い物体ができました(笑)」みたいに。自虐は、誰も傷つけない笑い。しかも弱みを見せることになるから、距離も縮まる。
ただし、自虐は軽さが命。深刻なトーンの自虐は、笑いじゃなくて重い話になる。笑いながら、軽く。あと連発しない。自虐ばかりだと、自己肯定感が低い人に見える。
観察コメントで笑わせる
目の前の状況や物への、ちょっとずれた視点のコメント。
「このメニュー、写真と気合いの入り方が違いますね(笑)」「あの店員さん、めちゃくちゃ楽しそうに働いてません?(笑)」みたいに。状況への面白い気づきを言葉にする。
これは観察力の話で、面白い視点で物を見る癖をつけると、自然にコメントが出てくるようになる。日常で「これ、ちょっと面白いな」と思ったことを言葉にする練習をしておく。
ユーモアのセンスを日常で鍛える方法
面白い人の「構造」を観察する
面白い人と一緒にいる時、笑いながらも、何が面白かったのかを観察する。
どのタイミングで言ったのか、どんな言い方だったのか、ボケなのかツッコミなのか、間はどうだったのか。笑いを構造として見る癖をつけると、面白さの仕組みが見えてくる。
お笑い番組やバラエティも教材になる。芸人のツッコミのタイミング、リアクションの仕方、話の組み立て。プロの技術を構造として見る。真似できる部分が必ずある。
滑ることに慣れる
ユーモアを鍛える上で避けて通れないのが、滑る経験。
冗談を言って、誰も笑わない。あの瞬間の静寂、体が固まる感じ。あれが怖くて冗談を言えなくなる人が多い。でも滑らずに面白くなった人はいない。
滑った時の対処法を持っておくと、怖さが減る。「あ、今の滑りましたね(笑)」と自分で拾う。滑ったこと自体を笑いに変える。これができると、滑ることが怖くなくなる。
スカウト時代、滑り続けた時期があった。でも滑った後に「今の忘れてください(笑)」と言えるようになってから、楽になった。滑りを引きずらない人は、また次の冗談を言える。その回数が、センスを育てる。
笑いのストックを作る
自分の鉄板の失敗談、面白かった体験を、いくつかストックしておく。
ゼロから即興で笑いを作るのは難しいけど、持ちネタがあれば出せる。自分の話で一回ウケたものは、別の場でも使える。ウケた話を覚えておいて、磨いていく。
ただし同じ相手に同じ話を二回しない。これをやると一気に株が下がる。
言葉の引き出しを増やす
ユーモアって、言葉の選び方でもある。
同じことを言うのでも、「すごい」より「もはや事件」の方が面白い。「疲れた」より「HPゼロです」の方が笑える。普通の言葉を、ちょっとずらした表現に変える。
本を読む、面白い人の言い回しをメモする、SNSで上手い表現を見つける。言葉のストックが増えると、会話の中で選べる表現が増える。
恋愛の場面でのユーモアの使い方
緊張をほぐす道具として使う
デートの最初、お互い緊張してる時間帯。
ここで軽い笑いが一個生まれると、場が一気に緩む。「緊張しすぎて、さっき店の名前間違えて覚えてました(笑)」みたいな、自虐混じりの一言。
笑いは緊張の特効薬。デート序盤の固さを溶かす道具として、軽いユーモアは最強に機能する。
失敗をリカバリーする道具として使う
デート中の小さな失敗、気まずい瞬間。
注文を間違えた、道に迷った、変なことを言ってしまった。こういう時に笑いに変えられると、失敗がむしろいい思い出になる。「やばい、完全に道間違えました。冒険ということで(笑)」みたいに。
失敗を笑いに変えられる男は、一緒にいて楽。何が起きても大丈夫、という安心感を作れる。
笑いの相性を確かめる場として使う
何に笑うかって、相性のバロメーター。
自分の冗談に笑ってくれるか、相手の笑いのツボはどこか、一緒に笑える瞬間があるか。デートの中での笑いのやり取りは、二人の相性を測る材料になる。
くだらないことで一緒に笑えた相手とは、長く続きやすい。笑いの感覚が合う、というのは、思ってる以上に大事な要素。
やってはいけないユーモア
人をいじる笑い、誰かを下げる笑い、下ネタ、内輪ネタ。
これらは恋愛の場面ではリスクが高すぎる。特に相手をいじる笑いは、関係ができてないうちは攻撃にしか聞こえない。誰も傷つかない笑いだけを使う。
あと、ウケなかった冗談を説明するのもダメ。「いや、今のはこういう意味で」と解説を始めると、滑りが二倍になる。滑ったら拾って流す。説明はしない。
センスは後天的に作れる
スカウトを始めた頃の自分は、本当に面白くなかった。
真面目に話すことしかできなくて、場を和ませる一言が出てこなかった。でもリアクションから始めて、ツッコミを覚えて、自虐を使えるようになって、少しずつ笑いの起きる会話ができるようになった。
7年後には「話してると楽しい」と言われるようになってた。才能じゃない。構造を理解して、滑りながら練習した結果。
ユーモアのセンスがないと思ってる人は、センスがないんじゃなくて、まだ練習してないだけ。リアクションを大きくする、軽くツッコむ、自虐を一個持つ。この三つから始めれば、会話の空気は確実に変わっていく。
面白い男は、生まれるんじゃなくて、作られるよ。

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