趣味が合わないから会話が続かない、というのは勘違いだと思ってる。
合コンで隣になった女性が全然違う世界の人だった。自分はアウトドア派、相手はインドア派。自分はスポーツ観戦が好き、相手は興味なし。自分がハマってるゲームの話をしたら「やったことないです」で終わった。それ以来、何を話せばいいか分からなくなって、残り時間をずっとスマホで時間を潰しながら乗り越えた、みたいな経験をしてる男性が多い。
スカウトで路上に立って、声をかけた女性と趣味が一致したことなんて、むしろ少数派だった。共通点ゼロの状態から15分で連絡先をもらう、それが仕事だった。そこで学んだのが、趣味の一致は会話の必要条件じゃない、という事実。
趣味が合わない時に会話が詰まる本当の原因
趣味の話を「情報交換」にしてしまってる
趣味が合わない会話が詰まる理由を分析すると、ほぼ全員が同じ失敗をしてる。
趣味の話を情報交換にしてしまってる。好きなものを聞いて、それが自分の知らないジャンルだった瞬間に「そうなんですね」で終わる。自分の趣味を話したら相手がやったことなかった、で話が止まる。
情報が一致しないと会話が終わる、というモデルで動いてるから詰まる。でも会話って情報交換じゃなくて感情の交換なんだよね。そこを切り替えると、趣味が合わなくても全然問題なくなる。
スカウト時代、声をかけた女性がネイルアートにハマってると言った。自分はネイルのことを何も知らなかった。でも「それって自分でやるんですか?どんな感じのが好きなんですか?」って聞いてたら、20分くらい話してた。知識ゼロでも会話は続く。知ろうとする姿勢だけで。
趣味が合わないことで相手との距離を感じてしまってる
趣味が合わないという事実を、相性が悪いというシグナルとして受け取ってしまうことがある。
そう思った瞬間から、会話への熱量が下がる。熱量が下がると声のトーンが変わる。トーンが変わると相手も察して距離が出る。自分が作り出した距離なのに「やっぱり趣味が合わないと難しいな」という結論になってしまう。
勝手に作った壁を、相性のせいにしてる。
趣味が合わなくても盛り上がる会話の作り方
趣味の中にある感情を引き出す
趣味そのものじゃなくて、趣味を通じて感じてることに向けて話す。
相手が好きなこと、知らなくていい。でも「それのどこが好きなんですか?」「いつからやってるんですか?」「ハマった瞬間ってどういう感じでしたか?」これは聞ける。
感情の部分は共通言語になる。登山が好きな理由も、アニメが好きな理由も、突き詰めると「好きでたまらない感覚」は同じ。そこに触れると、趣味が全然違っても会話の温度が上がる。
これ、スカウト時代に一番使ってた方法で、相手が何にハマってるかより、なんでハマってるかを聞いた方が圧倒的に話が続いた。内容は分からなくても、その人の感情の動きは分かる。分かった瞬間に「この人に話してもいいんだ」という空気になる。
知らないことを面白がる
これ、できてる人が本当に少ない。
知らないことって、普通は「あ、分からないな」で終わらせてしまう。でも知らないからこそ教えてもらえる立場になれる。その立場が、相手を話す気にさせる一番の条件だったりする。
「それ全然知らないんですけど、どういうものなんですか?」という一言が、会話の主役を相手に渡す。主役になった相手は話したくなる。話したくなると会話が続く。続いた会話が盛り上がった記憶として残る。
路上で声をかけた女性が競馬にハマってると言ったことがある。競馬、何も知らない。でも「なんで競馬なんですか?」って聞いたら「馬の目が好きで」って言い始めて、そこから30分馬の目の話をされた。全然分からなかったけど、その子はめちゃくちゃ楽しそうだった。
知らないことを面白がれる人のそばでは、人は話したくなる。
自分の趣味を「入り口」じゃなくて「比較軸」にする
自分の趣味を話す時、それをゴールにしてしまうと一方通行になる。
「自分はサッカーが好きで」→「そうなんですね」で終わる。これは自分の趣味を情報として出してしまってる。
代わりに「自分はサッカーとか体を動かす系が好きなんですけど、逆に〇〇さんってどんな時間が一番楽しいですか?」みたいに、自分の話を比較軸にして相手に渡す。自分のことを少し出しながら、相手に話す場を作る。
この動きができると、趣味が違っても会話の流れが生まれる。お互いが少し出して少し聞く、そのキャッチボールが盛り上がりの正体だから。
趣味が合わない時こそ使える話題
「なんでそれを好きになったのか」を聞く
どんな趣味にも「きっかけ」がある。
そのきっかけの話って、趣味そのものより面白いことが多い。「子供の頃に父親に連れてってもらって」「友達に誘われて行ったら泣くほど感動して」みたいに。きっかけの話には感情が乗ってる。感情が乗ってる話は止まりにくい。
趣味の内容は分からなくても、きっかけの話なら誰でも聞けるし、誰でも話せる。これ、趣味が合わない時の最強の入り口。
「やったことないんですけど、どこから始めればいいですか?」
興味を示す一言。
これを言うだけで「本当に興味あるの?」という空気になって、相手が張り切って教えてくれる状態が生まれる。実際にやるかどうかは関係ない。この一言で相手が語りたくなる場が生まれる。
ただし嘘はダメ。本当にちょっとでも気になったことだけに使う。全く気になってないのに使うと、どこかに出る。
「自分は〇〇だけど、それと似てますか?」
自分の知ってる世界と繋げる方法。
相手が好きなものを自分の知ってる世界に引き寄せて理解しようとする。「登山って、長距離を走る時の達成感と似た感じですか?」「アニメって、映画と同じように物語で没入できる感じ?」みたいに。
完全に正解じゃなくてもいい。「全然違います!」と言ってもらえれば、じゃあどう違うのかを話してもらえる。どっちに転んでも会話が続く質問になってる。
やってはいけないこと
趣味を否定する、または無関心を見せる
これが一番の禁じ手。
「あ、自分はそういうの興味なくて」「それって何が面白いんですか?」という聞き方で、懐疑的なニュアンスが入ってしまうと致命的。相手が好きなものを軽く扱われた感覚になる。
好きなものを否定された体験って、長く記憶に残る。そういう人とはもう話したくない、という感情も一緒についてくる。
共通点を無理に探そうとする
趣味が違うと分かった瞬間に「でも〇〇は好きですか?」「じゃあ〇〇はどうですか?」と共通点を必死に探す人がいる。
これ、焦りが出てしまう。焦りを受け取った相手は、なんか必死に合わせようとしてるな、という感覚になる。その感覚は、一緒にいて楽しいという感覚と真逆。
共通点は、探すんじゃなくて会話の中で自然に見つかるもの。焦って掘り起こそうとしなくていい。
自分の趣味を長々と語る
趣味が合わない相手に、自分の趣味を一方的に話し続けるパターン。
相手が知らない世界の話を長くされても、受け取れない。知識がないから、どこにも引っかからないまま話が流れていく。興味がないのに聞き続けるのは消耗するから、だんだん会話が重くなる。
趣味の話をするなら、相手が質問してきた時だけにとどめる。聞かれた分だけ話す。
スカウト時代の体験から
路上で声をかけた女性で、全く接点がない世界の人というのが何度もあった。
ある夜、声をかけた子が刺繍にハマってると言った。刺繍、何も知らない。布に針で模様を作る、というくらいの理解しかなかった。
でも「それって自分でデザインを考えるんですか?」「完成した時ってどんな感じですか?」「難しいところはどのあたりですか?」と聞き続けてたら、20分近く話してた。刺繍のことは最後まで分からなかったけど、その子のことはだいぶ分かった気がした。好きなものへの向き合い方、丁寧に時間をかけることが好きな性格、完成した時の喜びを大事にする人だということ。
趣味が合わなくても、その趣味の中にいる人のことは分かる。分かろうとした時間が、会話の温度を作る。
趣味が合う人としか盛り上がれないと思ってたら、世界が狭くなる一方だよ。

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