相性って、最初から決まってるわけじゃないと思ってる。
好きな人と会話した後に「なんか相性よくないのかも」って落ち込む人がいる。でも相性って、お互いの状態と会話の作り方で変わる。相性が悪いんじゃなくて、相性よく見える会話ができてないだけ、という場合の方が多い。
スカウトで何年も路上に立ってると、相性がいい会話と悪い会話の違いが見えてくる。会話の後に「あの人と話してて楽しかった」という感覚を作れた時と、そうじゃない時。何が分かれ目だったか、ずっと考えてた。
相性がいいと感じる瞬間の正体
「分かる」が来た時
会話の中で「あ、それ分かる」という瞬間がある。
趣味が同じ、経験が似てる、感じ方が近い。その一致が来た瞬間に「この人と相性いいかもしれない」という感覚が生まれる。
でもこれ、一致してる事実より、一致を見つけた体験の方が大事だったりする。同じ映画を好きな二人でも、その映画の話を全然しないまま終わると一致を発見できない。発見の機会を会話の中に作れるかどうかで、相性のいい感覚が生まれるかどうかが変わる。
相性がいい会話をしてる人って、相手の話の中から一致を探すのが上手い。正確に言うと、一致を探してるというより、相手の話に乗っかってると自然に一致が見つかる状態になってる。
話すテンポが揃ってる時
声の速さ、話の間の取り方、笑いのタイミング。これが揃ってる時に「相性いい」という感覚が生まれやすい。
テンポの合わない会話って、どこかちぐはぐで疲れる。相手が話し終わる前に返してしまったり、沈黙の後のタイミングが毎回ズレてたり。そういう会話の後は、相性が悪かったかな、という感覚が残りやすい。
スカウト時代に気づいたのが、テンポって合わせられる、ってこと。最初は違っても、相手のテンポを観察して合わせていくと、会話が流れ始める。流れ始めた会話って「なんか話しやすい」という感覚を生む。話しやすい感覚は相性のいい感覚と似てる。
言わなくても通じた時
何かを言いかけて、言い切る前に相手が「あー、あれでしょ」って返してきた。
この体験、強烈に相性のよさを感じさせる。言葉にしなくても分かってくれた、という体験。
これって実は、それまでの会話で相手の思考パターンや好みを掴んできた結果として起きる。何時間も話した後に「なんか相性いいかも」となることが多いのは、積み重ねた会話が言葉を補完してくれる状態を作ってるから。
最初の30分で相性を判断しようとするから、相性悪いってなる。積み重ねが必要。
相性がいい会話に共通する特徴
沈黙が気まずくない
相性がいい会話の一番のサインがこれ。
会話の途中で沈黙が来ても、どちらも焦って埋めようとしない。ただそこにいる。それが自然で、不快じゃない。
一緒にいることが目的になってる状態。会話が手段じゃなくて、一緒にいる時間の一部になってる。そういう状態の二人の沈黙は、気まずくない。
路上でスカウトしてた頃、会話が盛り上がって自然に沈黙が来た時、相手が帰らないことがあった。話してないのに、いる。そういう時の流れって、その後連絡先の交換に繋がりやすかった。沈黙を共有できてる状態って、それだけで特別な感覚を作ってた。
お互いが話してる時間がある
どちらかだけが話してる会話は、相性いいとは感じにくい。
7対3でどちらかが話してる状態くらいまでは許容範囲だけど、9対1になってくると、聞いてる側が受け身になってる感覚が出てきて疲れる。疲れた感覚は相性が合わなかった感覚と混同される。
相性がいい会話って、どちらも話してる。一緒に作ってる感じがある。どちらかがステージに立って、どちらかが観客になってない。
笑いの種類が似てる
これ、何に笑うか、どのくらいの笑いの強さか、笑うタイミング。これが近い人と話してると「この人と相性いいな」という感覚が強くなる。
くだらないことで笑える、という感覚を共有できた時の距離の縮まり方って独特で、真剣な話をした後の縮まり方と全然違う。くだらない笑いでつながった時の方が、なんか素の部分が見えた感じがする。
笑いの感覚が合うかどうかって、会って最初の30分くらいで何となく分かってくる。
話題が自然に深くなる
最初は表面的な話をしてたのに、気づいたら深い話になってた。
この「気づいたら」が大事で、意図的に深くしようとしたわけじゃない。会話の流れで自然に深くなってた。これが起きてる時、相性がいい会話になってる。
逆に、意図的に深くしようとして「ところで本音を言うと何がしたいんですか?」みたいな質問を突然出すと、ちぐはぐになる。表面から深い話への移行が自然かどうか。これが相性がいい会話と、そうじゃない会話の差になってる。
相手の続きが気になる
相手が話してる途中で「それ、どうなったの?」と気になる状態が続いてる時。
これ、話の内容が面白いんじゃなくて、話してる人に引き込まれてる状態。引き込まれてる状態の時に感じる「この人と話してたい」が、相性のよさとして記憶される。
引き込まれる会話を作れてる人って、話の中に続きが気になる要素を自然に入れてる。全部言い切らない。余白を作る。その余白に相手が入ってくる。
相性がいい会話を作るためにできること
相手のリズムに合わせる
これが一番即効性がある。
話すテンポ、声の大きさ、笑いの間。これを観察して、近づけていく。完全に同じにする必要はなくて、極端に違わないくらいでいい。
合わせることって、この人と同じ空気にいますよ、という非言語のメッセージになってる。同じ空気を感じると、相手は話しやすくなる。話しやすくなると会話が続く。会話が続くと相性がいい感覚が生まれる。
スカウト時代、最初に相手の話すペースを3秒くらい観察する習慣があった。速い人、ゆっくりな人、間が多い人、少ない人。そのペースに自分を合わせてから話し始める。それだけで最初の入りが変わった。
違いを面白がる
相性がいい会話って、一致だけで作られてるわけじゃない。違いをどう扱うかも大事。
「え、それ全然違う、自分は〇〇派で」という違いが出た時に、「相性悪いかも」じゃなくて「面白い、なんで?」になれるかどうか。
違いを面白がれる状態の会話って、どちらかが正しいという話じゃなくて、お互いの見え方の違いを楽しんでる状態。その状態は、長く話し続けても飽きない。飽きない会話が相性のいい会話の特徴の一つ。
言いかけたことを拾う
相手が「まあ、でもそれはいいか」みたいに言いかけてやめたことがある。
そこを「え、何ですか」と拾える人が、相性がいい会話を作れる人。言いかけてやめたことって、出したかったけど躊躇した言葉。それを拾ってもらえると「ちゃんと聞いてくれてた」という感覚になる。
でもこれ、毎回やると重くなる。自然に気になった時だけ。本当に気になった時の「え、何ですか?」は、声のトーンが違う。
会話の中で一つだけ記憶に残ることを作る
相性がいい会話って、後から「あの人と話してたなあ」と思い出す何かがある。
面白い話でも、共感した話でも、くだらない笑いでもいい。何か一個、その会話だけに存在したことが残ってると、次に会った時の入り口になる。
「この間話してた〇〇の話、その後どうなりましたか?」が自然に出てくる関係。それが相性のいい会話を続けていく状態に繋がるよ。

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