共通の話題がない、って悩んでる人に最初に言いたいのは、そもそも共通の話題を探そうとしてる時点で方向がちょっとズレてる。
趣味が同じ、好きな音楽が被った、行ったことある場所が一緒。こういう共通点が見つかった時って確かに盛り上がる。でも共通点がないと会話できない、は全然違う話。スカウトで路上に立ってた頃、声をかける相手と事前に共通点なんてゼロ。名前も知らない、趣味も知らない、何が好きかも分からない。それでも会話が生まれて、盛り上がって、連絡先を交換する、っていうことが毎日起きてた。
共通点がないから会話できない、じゃなくて、共通点を探そうとするから詰まる。
共通の話題がないと感じる本当の理由
「共通点ファースト」の発想が会話を止めてる
合コンでもデートでも、共通の話題を探そうとする。
趣味は?好きな食べ物は?出身どこ?音楽は?映画は?……これ全部、共通点を探すための質問。でも共通点が見つかった時だけ盛り上がれる、という前提で動いてると、見つからなかった瞬間に詰まる。
見つからなかったら終わり、じゃなくて、見つからなくても続けられる、に切り替えるだけで全然変わる。スカウト時代、共通点がない状態から会話を作る方が、むしろ多かった。共通点がないなら別の入り口から入る、ただそれだけ。
違いを埋めようとしてる
共通点を探す行為って、裏を返すと「違いを埋めようとしてる」とも言える。
でも違いって、実は会話の宝庫。自分が知らないことを相手が持ってる、相手が知らないことを自分が持ってる。その非対称性が、会話を動かすエンジンになる。共通点が多い人と話すより、違う世界を持ってる人との会話の方が、引き出しが増える感覚があるじゃないですか。
スカウトで声をかけてた女性って、ほとんど自分と違う世界の人。職業も趣味も生活圏も全部違う。その違いを面白がれるかどうかで、会話の深さが決まってた。
共通の話題を探す前にやること
目の前にある情報を全部使う
スカウトで路上に立つと、相手の情報が何もない状態から始まる。
名前も、職業も、趣味も全部ゼロ。でも目に見える情報は山ほどある。服の系統、持ってるバッグ、歩いてきた方向、時間帯、その日の天気、周りの環境。これだけで会話の種が10個くらい作れる。
共通点がないと感じてる人って、相手を「見てない」ことが多い。目の前にいるのに、情報を集めてない。見ればあるはずの素材を、見ようとしてないから見つからない。
デートや合コンで「共通の話題がない」と感じる瞬間、一回相手をちゃんと観察してみる。今日の服、持ってるもの、話してる時の表情、特に反応が変わった話題。ここに次の会話の入り口が全部ある。
「今ここにいる」という唯一の共通点を使う
どんなに違う世界の人でも、今この場所に同じタイミングで来てる、という事実がある。
これ、当たり前すぎて見落としがちなんだけど、最強の共通点。このお店を選んだ理由、今日ここに来るまでの話、この場所の雰囲気についてのコメント。全部、今ここを共有してる二人にしか話せない話題。
スカウトで声をかける時、最初の入り口としてよく使ってたのが「今いる場所」の話だった。「この辺、よく来るんですか?」「このお店、前から気になってたんですよね」みたいな。どんな相手でも、今同じ場所にいるという事実は変わらない。そこから始める。
共通点なしで会話を作る具体的な方法
違いを掘り下げる
相手が自分の知らない趣味を持ってた時、「自分はやったことないな」で終わらせてる人がいる。
もったいない。そこが一番面白い入り口なのに。「それ、全然知らないんですけどどういうものなんですか?」「やってみようと思ったきっかけは?」「ハマった瞬間って、どういう感じだったんですか?」
知らないこと、やったことないことって、純粋に教えてもらえる立場になれる。教える側の人って、聞いてもらえることで気持ちよく話せる。自分が無知な分野ほど、相手が話しやすい状況を作れる。
声をかけた女性がネイルアートにハマってると言ってた時、自分はネイルのことを何も知らなかった。でも「それって自分でやるんですか?」「どのくらい時間かかるんですか?」「ネイルで一番好きなデザインって、どんなのですか?」ってどんどん聞いてたら30分くらい話してた。共通点、一個もない話題だったのに。
相手の言葉の「なんで」を聞く
表面の話題が違っても、そこに至った感情や理由は共通することが多い。
「映画が好き」と「本が好き」、表面は違う。でも「なんでそんなにハマったんですか?」って聞いたら、「現実逃避したい時に使ってる」とか「登場人物に自分を重ねるのが好き」とか、感情の部分で一致することがある。
その一致が見つかった瞬間の感覚、言葉にしにくいんだけど……なんか急に距離が縮まる。好きなものが違っても、なぜ好きかが同じなら、十分な共鳴がある。
スカウト時代、趣味が全く違う女性と話してる中でこれをよく使ってた。表面の趣味が合わなくても、その趣味を通じて何を感じてるかを聞くと、たいていどこかで「あ、それ分かる」が来る。そこが来た瞬間が、会話の温度が一段上がる瞬間。
自分の話を少し先に出す
共通点を探すために質問ばかりしてると、会話がインタビューになる。
先に自分の話を少し出すと、相手が「あ、自分も」と乗ってきやすくなる。自分の経験や感覚を先に置いて、相手の反応を見る。乗ってきたらそこを掘る、乗ってこなかったら別の方向に進む。
「最近なんか新しいことを始めた話なんですけど…」って入り口を作って自分の話をすると、相手も「自分は〇〇を始めたんですよ」って返してくることがある。共通点を探すんじゃなくて、自分の話から引き出す感じ。
これ、スカウトで使ってたというより、スカウトを辞めてから気づいた方法で。質問で引き出すより、先に自分が動いた方が、相手も動きやすい状況ができる。
話題がないと感じやすい場面別の対処
沈黙が来た時
話題が尽きた沈黙、これを失敗だと思うか、次の入り口だと思うかで全然違う。
焦って変な話題を引っ張り出そうとするより、周りを見渡してみる。お店の雰囲気、外の景色、流れてる音楽。「この曲、なんか知ってる気がするな」でも「なんかこのお店、落ち着きますよね」でもいい。共有してる空間からコメントを拾う。
共通点がない人同士でも、今同じ場所にいる。その場所についての話題は、常に使える。
全然違う業界・職業の人と話す時
仕事の話で共通点がない、という状況はよく起きる。
でも職業が違うなら、その職業のことを聞けばいい。「それって、どういう仕事なんですか?」「一日どんな感じで過ごしてるんですか?」「大変なのってどういう時ですか?」
業界が違えば違うほど、相手の世界が全部新鮮に見える。知らない世界の話って、素直に面白い。共通点がないほど、聞けることが増える、とも言える。
スカウトで声をかけてた女性の職業、本当に様々だった。医療、アパレル、事務、フリーランス、学生……自分とは全然違う世界の話ばかりで、逆にそれが面白かった。共通点がないことを嘆く前に、違う世界の話を純粋に面白がる感覚、これが一番大事かもしれない。
趣味が全く被らない時
趣味が違う、これは実は会話のチャンス。
相手の趣味を教えてもらう立場になれる。教えてもらう立場って、相手が主役になれる状態。人って自分の好きなことを話してる時、表情が変わる。その変化に気づいてちゃんと反応してあげると、共通点がなくても場が温まる。
「それ、やったことないんですけど、始めるとしたら何から入ればいいですか?」って聞くと、相手は張り切って教えてくれる。教えてる時間って、その人にとって楽しい時間。楽しい時間を一緒に過ごした記憶が、共通点の代わりになる。
共通点を作る発想に切り替える
共通点は「発見」じゃなくて「生成」できる
あらかじめ共通点がある人を探すより、会話の中で共通点を作っていく、という発想。
「自分もそれ気になってた」「いつか行ってみたい」「それ、教えてもらったら絶対ハマりそう」……共通点がなくても、共通点になる可能性をその場で生み出せる。相手の世界に興味を持つことで、共通点の予約みたいなものができる。
スカウト時代、連絡先を交換してから後日会う約束の中で「この間話してた〇〇、自分もやってみました」って言うと、相手がすごく嬉しそうにしてた。最初に会った時には共通点がなかった。でも相手の話に興味を持って、実際に試してみることで、後から共通点が生まれた。
共通点って、最初からあるものじゃなくて、作れるもの。
「一緒に体験する」が最速の共通点
話題として共通点を探すより、体験を一緒にする方が圧倒的に共通点が生まれやすい。
初めて入るお店、初めて食べるメニュー、初めて行く場所。「初めて」の体験を一緒にすると、その体験が二人の共通の記憶になる。共通の記憶がある人とは、次会った時の会話の入り口が自動的にできてる。
「あのお店、また行きたいですよね」「あの時食べたやつ、おいしかったな」みたいな。これって共通点じゃなくて、共通の記憶。でも会話の潤滑油としては、もともとあった共通点より強いことも多い。
一緒に体験したことへの感想を話してる時って、お互いが同じ方向を向いてる状態。共通点を探してる時みたいな、向かい合った評価し合いの感じがない。並走してる感覚。その感覚の中で出てくる会話は、自然と温かくなる。

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