会話が続かなくて、つい質問ばかりしてしまう。
何が好き?どこ出身?いつから?誰と行った?なんで?気づいたら相手に質問を浴びせ続けてて、「なんか面接みたい」って言われる。会話を広げようとしてるのに、逆に空気が固くなる。5W1Hを使えば話が広がると聞いたのに、使えば使うほどぎこちなくなる。
スカウトで路上に立ってた7年間、質問の使い方で会話が続くか終わるかが決まってた。5W1Hは確かに使える。でも使い方を間違えると、ただの尋問になる。
5W1Hが尋問になってしまう理由
質問を浴びせてるだけになってる
5W1Hを覚えて、順番に聞いていく人がいる。
何を、いつ、どこで、誰と、なぜ、どうやって。これを次々聞いていくと、相手は答え続けるだけになる。質問されて答える、また質問されて答える。これ、会話じゃなくて取り調べ。
5W1Hは、全部を順番に聞くものじゃない。会話の中で、深めたい部分に使うもの。
相手の答えを受け取ってない
質問することに集中しすぎて、相手の答えを受け取ってない。
「どこ出身ですか?」「〇〇です」「へえ。いつから東京に?」みたいに、答えを受け取らずに次の質問に行く。受け取らないから、相手は流れ作業で答えてるだけになる。
質問の前に、前の答えを受け取る。受け取ってから次に行く。この受け取りがないと、5W1Hはただの質問の連射になる。
自分が何も出してない
質問ばかりして、自分のことを何も出さない。
相手の情報を集めるだけで、自分の情報を出さないと、一方的になる。相手は「なんで自分だけ答えてるんだろう」と感じる。
5W1Hで相手に聞いたら、自分のことも少し出す。キャッチボールにする。
5W1Hの正しい使い方
一個の話題を深掘りする道具として使う
5W1Hの本来の使い方は、一個の話題を深く掘ること。
相手が「最近カフェにハマってて」と言ったとする。ここで5W1Hを次々聞くんじゃなくて、深めたい方向に一個だけ使う。「どんなカフェが好きなんですか?(What)」とか「いつからハマってるんですか?(When)」とか。
一個の話題に5W1Hを使って、その話を深く掘る。横に広げるんじゃなくて、縦に深める。深く掘った話の方が、会話の温度が上がる。
スカウト時代、相手が話してくれた一個の話題を、5W1Hで深掘りすることをよくやってた。次々違う話題に移るより、一個を深く掘る方が、会話が盛り上がった。
感情を引き出す方向に使う
5W1Hの中でも、感情を引き出せる聞き方を選ぶ。
「なぜ(Why)」と「どうやって(How)」は、感情や経験を引き出しやすい。「なんでそれが好きなんですか?」「どういうきっかけでハマったんですか?」みたいに。理由やきっかけを聞くと、その人の感情が出てくる。
逆に「いつ」「どこで」「誰と」だけだと、事実の情報しか出てこない。事実だけ集めても会話は深まらない。感情を引き出す方向の5W1Hを優先する。
答えに乗っかってから次に行く
5W1Hで聞いて、答えが返ってきたら、その答えに乗っかる。
「なんでカフェ好きなんですか?」「静かな空間が落ち着くんですよね」「あー分かる、静かな場所っていいですよね。自分も一人でぼーっとする時間が好きで」みたいに。答えに反応して、自分のことも少し出す。
答えに乗っかってから次の質問に行くと、尋問じゃなくて会話になる。乗っからずに次の質問に行くと、尋問になる。この差が大きい。
5W1Hを使った会話の広げ方
What(何)で具体化する
「最近何にハマってるんですか?」「どんな音楽が好きですか?」みたいに、何を、で具体的なものを引き出す。
漠然とした話を具体的にする時に使う。具体的なものが出てくると、そこから話が広がりやすい。「音楽好き」より「〇〇というアーティストが好き」の方が、深掘りできる。
Why(なぜ)で感情を引き出す
「なんでそれが好きなんですか?」が一番使える5W1H。
理由を聞くと、その人の価値観や感情が出てくる。「なんで」を入れた瞬間、相手は自分の内側を話し始める。表面の情報から、その人の深い部分への入り口になる。
ただし「なんで」を連発すると詰問っぽくなるから、要所で使う。
How(どうやって)で経験を引き出す
「どうやってその趣味を始めたんですか?」「どういう感じでそうなったんですか?」みたいに、過程を聞く。
過程の話には、その人の経験やエピソードが含まれてる。エピソードが出てくると、会話に物語が生まれる。物語のある会話は、記憶に残りやすい。
When・Where・Whoは補助的に使う
いつ、どこで、誰と。これらは事実情報を引き出す質問。
会話を深める主役じゃなくて、補助的に使う。「いつから?」「どこで?」だけだと事実確認になる。これらは、WhatやWhy、Howで引き出した話を補足する時に使うくらいがちょうどいい。
5W1Hと組み合わせる技術
自己開示とセットにする
5W1Hで聞いたら、自分の答えも出す。
「休日何してますか?」と聞いて相手が答えたら、「自分は〇〇してることが多いんですよね」と自分のことも出す。質問と自己開示をセットにすると、一方通行にならない。
聞くだけの人より、自分も出す人の方が、相手も話しやすくなる。
共感とセットにする
5W1Hで引き出した答えに、共感を返す。
「なんでそれが好きなんですか?」「〇〇だからです」「あー、それ分かる気がします」みたいに。答えに共感を返してから、次の話に行く。共感が入ると、受け取ってもらえた感覚が生まれる。
質問、答え、共感、また質問。このリズムが、会話を自然に広げる。
観察コメントとセットにする
5W1Hの質問だけじゃなくて、観察したことのコメントも混ぜる。
「なんか〇〇に詳しそうですね」「楽しそうに話しますね」みたいに、相手を見て感じたことを言う。質問ばかりだと尋問になるけど、コメントが混ざると会話の温度が上がる。
質問とコメントのバランスが、尋問と会話を分ける。
やってはいけないこと
質問を連続させる
5W1Hを覚えたからといって、次々質問を浴びせる。
「何が好き?いつから?どこで知った?誰と行く?なんで好き?」みたいに連続させると、完全に尋問。相手は答え続けるだけで疲れる。
質問の間に、受け取りと自己開示を挟む。連続させない。
答えを掘らずに次の話題に移る
一個質問して、答えが返ってきたら、その答えを掘らずにすぐ別の話題の質問に移る。
これだと、話が浅いまま横に移動し続ける。どこにも根が張らないまま会話が流れていく。一個の答えを5W1Hで深掘りする方が、ずっと盛り上がる。
答えにくい質問を浴びせる
「将来どうしたい?」「人生で一番つらかったことは?」みたいに、答えるのに頭を使う質問を最初から浴びせる。
重い質問は、答えるのに負荷がかかる。会話が温まってない段階で重い質問を出すと、相手が疲れる。軽い質問から始めて、徐々に深めていく。
スカウト時代の話
路上で声をかけた頃、最初は質問を浴びせてた。
出身は?仕事は?趣味は?休日は?次々聞いてた。でも全然会話が続かなかった。相手が「なんか質問多いですね」って言ってきたことがあって、その時に気づいた。尋問してた。
そこから変えた。一個の話題を深く掘るようにした。相手が「カフェ好き」って言ったら、そこから「どんなカフェ?」「なんで好き?」「一人で行く?」って、カフェの話だけで広げていく。途中で自分のカフェの話も混ぜる。共感も返す。
そしたら会話が全然違った。一個の話題で10分以上話せるようになった。横に広げるんじゃなくて、縦に深める。それだけで尋問が会話に変わった。
5W1Hって、たくさん質問するための道具じゃなくて、一個の話を深く掘るための道具だった。
5W1Hを使う上で一番大事なこと
5W1Hの技術をたくさん書いたけど、根っこにあるのは一個。
相手の答えに本当に興味を持ってるかどうか。
興味があれば、次の質問は自然に出てくる。「なんで?」も「どうやって?」も、本当に気になったから聞く。本当に気になって聞いた質問は、尋問にならない。
逆に、会話を続けるための作業として質問してると、それが尋問になる。相手はその違いを感じ取る。
5W1Hを質問のテクニックとして使おうとするより、相手の話を本当に面白がって、もっと知りたいと思うこと。その気持ちがあれば、5W1Hは自然に会話を広げる道具になる。
技術より先に、相手への興味。それがあれば、質問は尋問にならない。

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